日本人のピアノトリオをいろいろ聴いてみた。
ジャケットの色合いが素晴らしい2枚。
原寮/I Can't Get Started
ジャズ批評誌・ピアノ特集の巻末に載っていた日本人ピアニストのアルバムは、再発も含めるとかなりの種類を聴くことができたが、芦別とともにどうしても入手できなかったのがこれ(芦別は未だに入手できず)。
全く派手さは無いがとつとつと音を紡ぐようなスタイルは、「この人の音楽を聴けて良かった」と純粋に心を打たれるような何かを持っている、あまりに地味すぎて気が付いたら夢見心地でうとうとしているような不思議な感覚に陥ってしまう事もありそうだが、、、いずれにしてもたった4曲しか収録されていないのが勿体ないとしか言いようがない(ライブなので他にも演奏していたと思う)、世間の評価がどうなのか知らないが、今年入手したジャズのレコードの中ではベスト3に入る(かもしれない)逸品。
福居良/Scenery
再発のCD、アナログとも予備として購入したが結局聴くのはオリジナル盤ばかりなので再発は処分した、今となっては音質の差などは不明だが、元が良いので再発でも大して差は無く良い音で聴けると思われる、いつの頃からか急にもてはやされるようになった気がするが、確かに内容は素晴らしくこの時代の日本人ジャズのピアノトリオとしては上位に位置していると思う。暫く新作が出ていないがもう出さないのでしょうか?
オーソドックスこそ素晴らしい2枚。
太田寛二/Blue High-Land
これもジャズ批評誌のカラーページに掲載されていた日本人ピアノトリオの傑作。CD化もされているしオリジナル盤も今となっては普通に出てくるのでいつでも入手可能。兎に角ノリが素晴らしく日本のソニー・クラークというのも頷ける(良い例えだ)。これ以降も何枚かアルバムを出しているが、純粋に全曲ピアノトリオでなかったりするので今はこれしか所有していない。純粋なピアノトリオだけの新作が出れば買うと思うが、、、
小曽根真/Spring Is Here
今回掲載した中では一番入手は容易だが、内容的には他のアルバムに負けず劣らず素晴らしい1枚。アート・テイタムみたいとジャズ批評に書かれていたがテイタムのトリオを殆ど聴いたことがないので似ているかは知らない、ジャケットの雰囲気も何となく好きで1年に1回は聴いていると思う。
未だに入手は困難か、、、
田中武久/I Have Been Born
田中さんのアルバムはどれも素晴らしいが珍しさだけならこれが断トツ、CD化されているがディスクダビングだったようでスクラッチ・ノイズが散見されるのと(それが良い味を出しているともいえるが)、ベースがもこもこしていて少し聴き難い印象があるので、好きな人ならオリジナル盤を探すしかない、ただしオリジナル盤は随分出世してしまって帯付になると片手くらいになってしまうのである程度の覚悟は必要、もともと優秀録音ではないがCDよりはベースもはっきりしているし全体的に聴きやすい。このアルバムも良い内容だと思うが個人的には直近のCD2作品のほうが好きである。今、一番新作を出してほしいのはキースでもメルドーでもなく田中さんかもしれない。
坂元輝/海を見ていたジョニー
こちらもCD化されたので聴くのは簡単、4曲しか入っていないが4曲とも管理人が思っている「これが日本人的なジャズ」をそのまま体感できるような内容、音自体は抒情的だけどジャケットは東北的、ちょっとマッコイ的な要素も入ってる感じもするけど(マッコイあんまり聴いてないけど)もっと情感的というか、一言でいうと弾きすぎ的で暑苦しい的とも言えなくもないが、、、それでもなんかこう悪くない的な感じ。
これがメジャーレーベルから出ていて簡単に入手可能ならどうかと言われると「何とも言えない」感じだが、ちょっと珍しいがゆえに愛聴してしまう的、そんな1枚。
日本人ジャズは一時は100枚くらい所有していたが再発や、あまり聴かないアルバムはすべて処分して今残っているのは40枚くらいになってしまった、オリジナルだろうが再発だろうがどっちみち日本プレスなのだから再発で十分と思っていたが、どんなレア盤でもBlue Noteなどの一部の作品以外は、結局再発は繰り返し聴いていないので、無理なのが多いと知っていながらも、本当に好きなものはオリジナルを探すことにした(勿論アナログの話)。
関根さんの2枚(これは今でもCDは残してあるが)や古谷さんの民謡、メガロポリス、白木秀雄などなど、、、どれもかなりハードルが高いが、再発を持っているといざという時躊躇してしまうし、、、
まぁ実際にオリジナル盤を入手したいと思っても、どれも滅多に出てこないし、出てきてもかなり無理なのが多いので殆ど入手できないと思いますけど、、、
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日本人のピアノトリオをいろいろ聴いてみた
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